データを分析しよう

数字の並びを、意味のある情報に変えるための道具を学びます。

2つの数量の関係を調べます

0.8
相関係数
–
関係の強さ
–
データの個数
40

相関係数の読み方

+1 に近い(正の相関)

一方が増えると、もう一方も増える傾向。身長と体重など。

0 に近い(相関なし)

2つの間に、はっきりした関係が見られない状態です。

−1 に近い(負の相関)

一方が増えると、もう一方は減る傾向。標高と気温など。

データのちらばり方を見ます

ヒストグラム

箱ひげ図

平均値
–
中央値
–
最小 / 最大
–
四分位範囲
–
標準偏差
–

同じデータでも、見せ方で印象が変わります

同じ売上データを、縦軸の取り方だけ変えて表示しています。

気をつけたい見せ方

縦軸が0から始まっていない

わずかな差が、大きな変化に見えます。棒グラフでは特に誤解を招きます。

都合のよい期間だけを切り取る

長期では下がっていても、上がった部分だけ見せれば増加に見えます。

3Dや絵グラフで面積をごまかす

高さが2倍の絵は、面積では4倍に見えてしまいます。

相関を因果のように語る

2つが同時に動いていても、片方がもう片方の原因とは限りません。

データを見る目を持つ

いま、あらゆる場面でデータが集められています。買い物の履歴、通学の経路、気温や降水量。これらをただ眺めても、意味は見えてきません。整理し、図にし、数値で特徴をつかむ。この作業がデータの分析です。

大切なのは、分析する力と同じくらい、示されたデータを読み解く力です。都合のよい見せ方をされたとき、それに気づけるかどうか。これは情報社会を生きるうえで欠かせない力になります。

データの種類

種類説明例
量的データ数値として意味があり、計算できる身長、気温、点数
質的データ分類のためのもので、計算に意味がない血液型、都道府県、性別

質的データに数字を割り当てることはありますが(1=男性、2=女性など)、その平均を計算しても意味はありません。データの性質を見誤らないことが第一歩です。

代表値 ― 全体を1つの数で表す

平均値

すべての値を足して、個数で割ったものです。最もよく使われますが、弱点があります。極端な値に引っ張られるのです。

たとえば5人の所持金が 500円、600円、700円、800円、10万円だとします。平均は約20,520円ですが、5人中4人は1000円も持っていません。この「平均」は誰の実感とも合いません。

中央値

小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値です。上の例では700円。こちらのほうが実感に近いことが分かります。

所得や地価のように、一部に極端に大きな値があるデータでは、中央値のほうが実態をよく表します。ニュースで「世帯所得の中央値」が使われるのは、このためです。

最頻値

最も多く現れる値です。靴のサイズや服のサイズなど、どれを多く用意すべきかを考えるときに役立ちます。

ちらばりを見る

代表値だけでは足りません。同じ平均60点でも、全員が60点前後のクラスと、0点と100点が半々のクラスでは、まったく状況が違います。

標準偏差

データが平均からどれだけ離れているかを表す数値です。値が小さければ平均の近くに集まっており、大きければ広くちらばっています。

四分位数と箱ひげ図

データを小さい順に並べ、4等分する位置の値を四分位数といいます。第1四分位数(下から25%)、第2四分位数(中央値)、第3四分位数(下から75%)です。

これを図にしたものが箱ひげ図です。箱の部分に真ん中の50%が入り、ひげが最小値と最大値まで伸びます。複数のデータを並べて比べるときに便利で、上のツールで形の違いを確かめられます。

四分位範囲 = 第3四分位数 − 第1四分位数

四分位範囲は、極端な値の影響を受けにくいちらばりの指標です。

2つの数量の関係

散布図

2つの数量を、横軸と縦軸にとって点を打った図です。点の散らばり方から、関係の有無が視覚的に分かります。

相関係数

関係の強さを −1 から +1 の数値で表したものです。

値意味
+0.7 〜 +1.0強い正の相関
+0.4 〜 +0.7正の相関
−0.4 〜 +0.4ほとんど相関なし
−0.7 〜 −0.4負の相関
−1.0 〜 −0.7強い負の相関

注意すべきは、相関係数が表すのは直線的な関係の強さだという点です。きれいな曲線の関係があっても、相関係数は0に近くなることがあります。散布図を見ずに数値だけで判断してはいけません。

相関と因果は違う

データ分析で最も重要な注意点です。2つに相関があっても、片方がもう片方の原因とは限りません。

有名な例に、アイスクリームの売上と水難事故の件数があります。この2つには強い正の相関があります。しかし、アイスを食べると溺れるわけではありません。どちらも「気温が高い」という共通の原因によって増えているだけです。

このような、背後にある第三の要因を交絡因子といいます。相関を見つけたら、まず「共通の原因はないか」を疑う必要があります。

また、原因と結果が逆のこともあります。「本をよく読む子は成績がよい」というデータがあったとき、読書が成績を上げたのか、成績のよい子がもともと読書好きなのか、これだけでは分かりません。

グラフのわな

グラフは分かりやすい反面、印象を操作しやすい道具でもあります。

縦軸の起点

棒グラフの縦軸を0から始めないと、わずかな差が劇的な差に見えます。上のツールで、同じデータの見え方がどれだけ変わるか確かめられます。

折れ線グラフでは、変化を見やすくするため途中から始めることもありますが、その場合は軸の値をよく確認する必要があります。

期間の切り取り

10年間で下がり続けていても、上がった半年だけを切り取れば「増加している」と示せます。示された期間が適切かを考えることが大切です。

グラフの種類の誤用

割合を示すべきところに実数を使う、比較すべきでないものを並べる、3Dにして奥行きで面積をごまかす。こうした手法は珍しくありません。

データを見るときの問い

データやグラフを示されたとき、次のことを確かめる習慣が役立ちます。

データは嘘をつきませんが、見せ方は嘘をつけます。だからこそ、読み解く力が必要なのです。

使い方

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