情報ラボ > データの分析
数字の並びを、意味のある情報に変えるための道具を学びます。
一方が増えると、もう一方も増える傾向。身長と体重など。
2つの間に、はっきりした関係が見られない状態です。
一方が増えると、もう一方は減る傾向。標高と気温など。
ヒストグラム
箱ひげ図
同じ売上データを、縦軸の取り方だけ変えて表示しています。
わずかな差が、大きな変化に見えます。棒グラフでは特に誤解を招きます。
長期では下がっていても、上がった部分だけ見せれば増加に見えます。
高さが2倍の絵は、面積では4倍に見えてしまいます。
2つが同時に動いていても、片方がもう片方の原因とは限りません。
いま、あらゆる場面でデータが集められています。買い物の履歴、通学の経路、気温や降水量。これらをただ眺めても、意味は見えてきません。整理し、図にし、数値で特徴をつかむ。この作業がデータの分析です。
大切なのは、分析する力と同じくらい、示されたデータを読み解く力です。都合のよい見せ方をされたとき、それに気づけるかどうか。これは情報社会を生きるうえで欠かせない力になります。
| 種類 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 量的データ | 数値として意味があり、計算できる | 身長、気温、点数 |
| 質的データ | 分類のためのもので、計算に意味がない | 血液型、都道府県、性別 |
質的データに数字を割り当てることはありますが(1=男性、2=女性など)、その平均を計算しても意味はありません。データの性質を見誤らないことが第一歩です。
すべての値を足して、個数で割ったものです。最もよく使われますが、弱点があります。極端な値に引っ張られるのです。
たとえば5人の所持金が 500円、600円、700円、800円、10万円だとします。平均は約20,520円ですが、5人中4人は1000円も持っていません。この「平均」は誰の実感とも合いません。
小さい順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる値です。上の例では700円。こちらのほうが実感に近いことが分かります。
所得や地価のように、一部に極端に大きな値があるデータでは、中央値のほうが実態をよく表します。ニュースで「世帯所得の中央値」が使われるのは、このためです。
最も多く現れる値です。靴のサイズや服のサイズなど、どれを多く用意すべきかを考えるときに役立ちます。
代表値だけでは足りません。同じ平均60点でも、全員が60点前後のクラスと、0点と100点が半々のクラスでは、まったく状況が違います。
データが平均からどれだけ離れているかを表す数値です。値が小さければ平均の近くに集まっており、大きければ広くちらばっています。
データを小さい順に並べ、4等分する位置の値を四分位数といいます。第1四分位数(下から25%)、第2四分位数(中央値)、第3四分位数(下から75%)です。
これを図にしたものが箱ひげ図です。箱の部分に真ん中の50%が入り、ひげが最小値と最大値まで伸びます。複数のデータを並べて比べるときに便利で、上のツールで形の違いを確かめられます。
四分位範囲は、極端な値の影響を受けにくいちらばりの指標です。
2つの数量を、横軸と縦軸にとって点を打った図です。点の散らばり方から、関係の有無が視覚的に分かります。
関係の強さを −1 から +1 の数値で表したものです。
| 値 | 意味 |
|---|---|
| +0.7 〜 +1.0 | 強い正の相関 |
| +0.4 〜 +0.7 | 正の相関 |
| −0.4 〜 +0.4 | ほとんど相関なし |
| −0.7 〜 −0.4 | 負の相関 |
| −1.0 〜 −0.7 | 強い負の相関 |
注意すべきは、相関係数が表すのは直線的な関係の強さだという点です。きれいな曲線の関係があっても、相関係数は0に近くなることがあります。散布図を見ずに数値だけで判断してはいけません。
データ分析で最も重要な注意点です。2つに相関があっても、片方がもう片方の原因とは限りません。
有名な例に、アイスクリームの売上と水難事故の件数があります。この2つには強い正の相関があります。しかし、アイスを食べると溺れるわけではありません。どちらも「気温が高い」という共通の原因によって増えているだけです。
このような、背後にある第三の要因を交絡因子といいます。相関を見つけたら、まず「共通の原因はないか」を疑う必要があります。
また、原因と結果が逆のこともあります。「本をよく読む子は成績がよい」というデータがあったとき、読書が成績を上げたのか、成績のよい子がもともと読書好きなのか、これだけでは分かりません。
グラフは分かりやすい反面、印象を操作しやすい道具でもあります。
棒グラフの縦軸を0から始めないと、わずかな差が劇的な差に見えます。上のツールで、同じデータの見え方がどれだけ変わるか確かめられます。
折れ線グラフでは、変化を見やすくするため途中から始めることもありますが、その場合は軸の値をよく確認する必要があります。
10年間で下がり続けていても、上がった半年だけを切り取れば「増加している」と示せます。示された期間が適切かを考えることが大切です。
割合を示すべきところに実数を使う、比較すべきでないものを並べる、3Dにして奥行きで面積をごまかす。こうした手法は珍しくありません。
データやグラフを示されたとき、次のことを確かめる習慣が役立ちます。
データは嘘をつきませんが、見せ方は嘘をつけます。だからこそ、読み解く力が必要なのです。