クラスタリングを体験しよう

正解を教えなくても、コンピュータは似たものをまとめられます。

ステップ 1中心を適当に置く
ステップ 2近い中心に振り分ける
ステップ 3中心を移動する
ステップ 4変わらなくなったら終了
グループ数

くり返した回数
0
グループ数
3
まとまりの良さ
–
状態
開始前

グループ数はいくつが適切でしょうか

グループ数を変えたときの「まとまりの良さ」の変化を見ます。折れ曲がるところが目安です。

グループ数と、まとまりの良さの関係(エルボー法)

グループ数を選んで結果を見る

3

クラスタリングが使われる場面

教師あり学習との違い

教師あり学習(分類) 教師なし学習(クラスタリング)
正解ラベル 必要(人がつける) 不要
グループの意味 あらかじめ決まっている あとから人が解釈する
向いている場面 分けたいものが決まっている どう分かれるか自体を知りたい
準備の手間 ラベル付けに人手がかかる データだけあればよい

クラスタリングとは

たくさんのデータがあるとき、似たものどうしをまとめて グループ に分けることをクラスタリングといいます。できたグループをクラスタと呼びます。

特徴は、正解を教えないことです。「これはAグループ」といったラベルは一切与えません。データの位置関係だけを見て、コンピュータが自分でまとまりを見つけます。教師なし学習の代表例です。

そのため、できたグループが何を意味するかは、あらかじめ決まっていません。結果を見て人が「これは若い層だ」「これは購入頻度の高い客だ」と解釈します。

k-means法のしくみ

最もよく使われる手法が k-means法(k平均法)です。手順は驚くほど単純です。

  1. 中心を適当に置く:分けたいグループの数だけ、点を適当な位置に置きます
  2. 振り分ける:各データを、いちばん近い中心のグループに入れます
  3. 中心を動かす:各グループに集まったデータの平均の位置へ、中心を移動します
  4. くり返す:2と3を、中心が動かなくなるまでくり返します

この4つだけです。中心が動かなくなれば完成で、たいてい数回のくり返しで落ち着きます。上のツールで、1歩ずつ進めながら確かめられます。

名前の「means(平均)」は、手順3で平均を使うことに由来します。「k」は分けるグループの数で、人が指定します。

なぜこれでうまくいくのか

この手順は、ある値を小さくするように働いています。各データから、自分が属するグループの中心までの距離。その二乗の合計です。

まとまりの良さ = Σ(各データから、属する中心までの距離)²

手順2では、より近い中心に移すので、この合計が減ります。手順3では、平均の位置が距離の二乗和を最小にするので、やはり減ります。減り続けて、それ以上減らなくなったところで止まる。だから必ず終わります。

グループ数をどう決めるか

k-means法の弱点は、分ける数を人が決めなければならないことです。データを見ただけでは、いくつが適切か分かりません。

判断の目安になるのがエルボー法です。グループ数を1から順に増やしながら、まとまりの良さを計算してグラフにします。

グループ数を増やせば、まとまりは必ず良くなります。極端な話、データの数だけグループを作れば、まとまりは完璧です。しかしそれでは意味がありません。

グラフを見ると、ある数を境に改善の度合いが急に鈍る場所があります。ひじ(elbow)のように折れ曲がるので、エルボー法と呼ばれます。その折れ曲がる点が、適切なグループ数の目安です。

ただし、これは絶対的な答えではありません。目的によって適切な数は変わります。顧客を分けるとき、施策を打てるのが3種類までなら、3つに分けるのが実用的です。

注意すべき点

初期位置で結果が変わる

最初に中心を置く位置によって、たどりつく答えが変わることがあります。偶然、悪い位置から始まると、不自然な分かれ方で止まってしまいます。

対策として、初期位置を変えて何度か実行し、最もまとまりの良い結果を採用する方法がとられます。

丸いかたまりを想定している

k-means法は、距離だけを見てグループを作ります。そのため、丸く集まったデータには強い一方、細長い形やドーナツ状のデータはうまく分けられません。

そうした場合は、密度に注目する手法や、階層的にまとめていく手法など、別の方法が使われます。

かたまりがなくても分けてしまう

データが均一に散らばっていても、k-means法は指示された数のグループに分けます。「分かれていません」とは答えてくれません。

結果が出たからといって、そこに意味のあるまとまりがあるとは限らない。この点は必ず意識しておく必要があります。上のツールの「かたまりなし」で、この様子を確かめられます。

データの単位をそろえる

実際のデータでは、項目ごとに単位や桁が違います。年齢は0〜100、年収は0〜1000万。このまま距離を計算すると、桁の大きい年収だけで結果が決まってしまいます。

そこで、あらかじめ各項目を同じ尺度にそろえます。これを標準化や正規化といいます。前処理を怠ると、意味のない結果が出ます。

ほかのクラスタリング手法

k-means法は最も基本的な方法ですが、ほかにもいくつかの手法があります。

手法特徴
階層的クラスタリング近いものから順にまとめていく。グループ数を先に決めなくてよい
密度による手法点が密集した領域をグループとみなす。細長い形にも対応できる
混合ガウスモデルそれぞれのグループを確率分布として扱う。所属を確率で表せる

階層的クラスタリングでは、まとめていく過程を樹形図(デンドログラム)として描けます。どこで切るかによってグループ数を後から選べるのが利点です。

結果をどう解釈するか

クラスタリングで難しいのは、計算よりもできたグループの意味づけです。コンピュータは「これが1番のグループ」としか教えてくれません。

顧客データを3つに分けたとき、それぞれの平均を見比べます。「このグループは購入頻度が高く、単価は低い」「こちらは年に数回だが高額商品を買う」。こうして特徴を読み取り、名前をつけていきます。

この作業には、データそのものだけでなく、業務や分野についての知識が必要です。分析は計算で終わりではなく、解釈まで含めて初めて役に立ちます。

使い方

© 2026 情報ラボ ホーム カリキュラム対応表 画像のデジタル化 音のデジタル化 ラスタとベクタ 画像のビット演算 色の表し方 2進数・16進数 文字コード データはすべて0と1 パリティマジック コンピュータのしくみ 論理回路 アルゴリズム ネットワークのしくみ 電子メールのしくみ 情報システムとデータの流れ シミュレーション データの分析 機械学習 回帰と予測 クラスタリング 統計的推測 パスワードの強さ 暗号のしくみ あやしいメールを見分ける データ量の計算 データ圧縮 JPEGのくり返し保存 運営者情報・お問い合わせ プライバシーポリシー 更新履歴